最近、意を決して娘のアルバムを開いた。
亡くなる数カ月前の、保育園の卒園間際。ブランコにちょこんと座っている写真が見えた。なんでこんなにかわいいんやろう、と思った。
学校から大量の不在着信
16年前、浅田羽菜ちゃんは京都市で生まれた。両親が5年間に及ぶ不妊治療をあきらめ、しばらく経った頃だった。妊娠がわかってからずっと、母親(61)は、信じられなくて、うれしくて、何度もおなかをなでた。
保育園の時から、母が早朝に起きて書斎で仕事をしていると、たたたっと足音が聞こえ、起き出した羽菜ちゃんがやってきた。いつも、ぎゅっと抱きしめた。
2012年、羽菜ちゃんは京都市立養徳小学校に入学した。
その年の夏、7月30日の午後。母は仕事の合間にふと、携帯電話を手に取った。小学校や家族からの着信履歴が連なっていた。すぐにかけ直した。
羽菜ちゃんがプール学習中、溺れて病院に運ばれたという。駅まで走り、電車に飛び乗った。
病院に駆けつけると、羽菜ち…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル